エアコンで夏を乗り切ろう!冷房と除湿、電気代節約できるのはどっち?

 

エアコンを28℃に設定したリモコンと麦茶今年の夏も暑い日が続き、

エアコンの使用が欠かせません。

 

でも、エアコンを使用すると、

気になるのは電気代ですよね。

 

ウクライナ情勢や円安の影響による

燃料価格の上昇を反映するため、

8月からは電力大手10社のうち、

北海道電力、東京電力、中部電力、九州電力の

4社が電気料金を値上げします。

 

また、9月から東京電力と中部電力が

再値上げを発表しています。

 

これにより、中部電力以外の9社が

電気料金の上限に達します。

 

とは言っても、

夏の猛暑を乗り切るには、

エアコンは必須です。

 

エアコンには「冷房」と「除湿」の

機能がありますが、

電気代を節約するには、

どちらが有利なのでしょうか?

 

この記事では、エアコンの

「冷房」「除湿」に焦点をあて、

電気代節約できるのは

どちらなのか、

わかりやすく説明します。

 

エアコンの冷房と除湿の違いは?

エアコンの節電をする女性のイラスト夏のエアコンには、

冷房と除湿(ドライ)の

機能がありますが、

まずは、基本となる冷房の

仕組みについて説明します。

 

<冷房の仕組み>

エアコンは、室内機と室外機が2本のパイプでつながれていて、このパイプの中を冷媒ガスが通ります。

室内機と室外機には、それぞれ「熱交換器」という部品が入っています。

熱は温度の高い方から低い方へ移動する性質がありますので、この性質を利用して室内機の熱交換器で部屋の空気中の熱を冷媒に移動させます。

 

熱を取り込んだ冷媒は、パイプを通って室外機に送られ、圧縮機(コンプレッサー)で圧縮して外気よりも高温にします(※)

高温になった冷媒の熱は、室外機の熱交換器から外へ放出されます。

(※)圧縮すると温度が上がり、膨張させると温度が下がります。

 

熱が放出された冷媒は、

膨張弁で減圧されて低温になります。

低温になった冷媒は、パイプを通って室内機へ送られ、室内機の熱交換器で周りの空気と熱交換して空気から熱を奪い、ファンで冷たい風を室内へ送り出します。

 

このサイクルを繰り返すことで、部屋の温度を下げていきます。

 

<除湿の仕組み>

除湿には、「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2種類があります。

 

普及価格帯のエアコンでは、「弱冷房除湿」が多いですが、一部メーカーの上位機種では、「再熱除湿」を搭載したものもあります。

 

例えば、日立、三菱、富士通ゼネラル、コロナなどのメーカーは、「再熱除湿」を搭載した機種も販売しています。

 

「再熱除湿」とは、

部屋の空気を一旦冷やして除湿した後に、

冷えた空気を温めてから

部屋に戻す方式です。

「再熱除湿」は部屋の温度を下げずに除湿することができますが、「再熱除湿」を搭載したエアコンは、省エネの観点から、減ってきているようです。

 

次に、一般的な「弱冷房除湿」について説明します。

 

空気が保持できる水分の量は、温度によって決まります。

空気の温度が高いと多くの水分を保持できますが、空気の温度が低いと保持できる水分の量は少なくなります。

 

エアコンの除湿は、この原理を利用しています。

弱い電力で冷房することで空気の温度を下げ、空気中に保持できなくなった水分を水滴にして、排水ホースから室外へ排出して湿度を下げていきます。

 

つまり、エアコンの「弱冷房除湿」は、弱い冷房運転で、空気の温度を下げることによって空気中から溢れた水分を除去して部屋の湿度を下げているのです。

 

冷房と除湿では、電気代の節約できるのはどっち?

ECOとエアコンのリモコンエアコンの冷房と除湿は、

どちらが電気代を

節約できるのでしょうか?

 

単純に消費電力の観点から言えば、

電気代としては「弱冷房除湿」が

最も安く、以下の順になります。

 

(安い)弱冷房除湿冷房再熱除湿(高い)

 

以前、東京電力で冷房と除湿のコスト比較をしていますが、

それによると、各々の電気代は、次のような結果になっています。

冷房11.1円/時間、

弱冷房除湿4.1円/時間、

再熱除湿14.9円/時間

 

(条件)エアコン冷房能力2.8kW、温度24℃、湿度80%に設定、従量電灯B 第2段階料金22.86円/kWhの場合のコスト比較

 

尚、2022年7月時点での東京電力の従量電灯B第2段階料金は、26.48円/kWhなので、換算すると、以下のようになります。

冷房12.9円/時間、

弱冷房除湿4.7円/時間、

再熱除湿17.3円/時間

 

ただし、上記は、あくまで一定の条件下における試験結果なので、実際の家庭でのエアコン使用では、数値は違ってくると思います。

何故なら、各住居の環境や条件がそれぞれ異なり、快適性という指標も入ってくるからです。

ときどき、冷房よりも除湿の方が電気代が高くなるという記事を見かけることがありますが、この場合の除湿とは、「再熱除湿」のことを指していることがほとんどです。

 

「再熱除湿」は、梅雨時などに、

部屋の温度を下げずに

除湿することが可能ですが、通常は、

冷房よりも消費する電力が増えます。

 

「弱冷房除湿」は、弱い冷房と同じ原理なので消費電力が小さい代わりに、温度が下がるまでには、冷房よりも時間がかかります。

また、除湿能力は、「冷房」や「再熱除湿」よりも劣ります。

 

現在のエアコンは、自動運転モードを搭載しているものもあり、状況に応じて、冷房と除湿、暖房を自動で切り替えてくれるため、自動運転を推奨する記事もあります。

 

建物の断熱性や

気温にもよりますが、

例えば、始めは冷房

部屋の温度をすばやく下げて

部屋の温度が安定したら

除湿に切り替えるなど、

身体に無理のない範囲で

除湿を利用して

節電にトライしてみるのも

良いかと思います。

 

 

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まとめ

エアコンで快適にくつろぐ女性のイラストここまで、

エアコンの冷房と除湿に

ついて見てきましたが、

冷房は温度を下げることが目的で、

除湿は湿度を下げることを

目的とした機能です。

 

除湿には、「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2種類があります。

電気代(消費電力)の観点から考えると、以下の順になります。

(安い)弱冷房除湿冷房再熱除湿(高い)

 

猛暑の日は、

除湿では、なかなか温度が

下がらないことも考えられますので、

暑い部屋を短時間で温度を下げたい時は

冷房を使い、長時間つけておく場合は、

部屋の温度が下がってから除湿

切り替えるなどの方法も

節電に良いように思います。

 

電気代は、弱冷房除湿が最も安くなりますが、住居の環境や状況に応じて冷房と除湿をうまく使って夏を乗り切りましょう!

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