節分が近づくと気になる「お多福」の紹介!鬼との関係も徹底解説!
節分といえば、「鬼は外~! 福は内~!」という掛け声が有名ですよね。
「福は内」という文句を聞いて、櫛田神社の大きなお多福面を思い浮かべた方もいるかもしれません。
節分の時期の福岡県の神社では、大きなお多福面が門の前に構えています。
大きなお多福面の口の中をくぐると、商売繁盛や家内安全のご利益があるとされています。
福豆を買うと、鬼の面と一緒に、お多福の面がついてくることもありますよね。
鬼の対のような扱いをされているけれど、なぜお多福なんでしょう?
そもそも、お多福って何?
誰がモデルなの?
こちらの記事では、
お多福の意味や由来、
神様なのか?
鬼との関係を調べてみました。
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動画があります。
節分が近づくと気になる「お多福」を紹介。
お多福とはおたふく、おかめ、お福、乙御前(おとごぜ)、乙(おと)などと呼ばれる日本の面です。
丸顔で花が低く、頭が小さく、垂髪で、頬が丸く豊かに張り出した女性の仮面のことを指します。
お多福の面は、狂言や里神楽でよく使われます。
「おたふく」という名前は、「福が多い」から来たという説と、頬が丸くふくらんだ様子から、魚のフグを元にしたという説があります。
おたふく・おかめ・おふくを詳しく紹介
里神楽(さとかぐら)(民間の神楽)に使われる中年女性の道化面。鼻が低く、額(ひたい)やあごが平らで、ほおが丸く出っ張って下膨(しもぶく)れにつくられ、俗に三平二満(さんぺいじまん)ともいわれるが、意外に鼻だけが低い一平四満というべき作りもみられる。目が細く、色白で、どこか色っぽいうえに愛想のよい福々しい顔相である。江戸系の里神楽ではひょっとこやだるまなどのもどきの男役と対(つい)で軽妙に脱線滑稽(こっけい)を演ずるが、最後はたしなめ役に回ることが多い。お多福(たふく)ともよばれ、正月の縁起物の熊手(くまで)などに飾り着けられたり、かつてはこの面をかぶったお福さんという門付(かどづけ)がいたりしたが、『大言海』によれば、「おたハ乙御前(オトゴゼ)、……ふくハ頤(オトガヒ)ノ脹(ハ)レタル」ようすをいったものだとある。形状的にも狂言面の「乙(おと)」との関係が考えられる。また、人形浄瑠璃(じょうるり)の首(かしら)「お福」も同様の面相である。美女の相でないので、下膨れの醜女をお亀(かめ)とかお多福といって侮蔑(ぶべつ)することばともなった。お亀の名は、室町時代末のある神社の巫女(みこ)の亀女の名から出たともいう。なお、おかめを天鈿女命(あめのうずめのみこと)の面とすることもある。
[西角井正大]
出典:コトバンク
アマノウズメとは、神様なの?
お多福の元になったのは、アマノウズメという日本の神様。
アマノウズメの有名なエピソードを、ここで一つご紹介します。
ある時、日本の太陽神アマテラスが、天岩戸に隠れてしまったことがありました。
太陽が隠れてしまったので、世界は闇に覆われてしまいました。このままでは、日本は滅んでしまいます。
そこで、アマノウズメは神々の前で情熱的な舞を披露しました。
自分がいないのに、神々の笑っているのを不思議に思ったアマテラスも、ついに天岩戸から顔を出します。
その時、力持ちの神様がアマテラスの手を引っ張って、天岩戸から引っ張りだしました。これで、また世界に光が戻った、というわけです。
このエピソードからアマノウズメは、日本最古の踊り子、芸能の女神として親しまれています。
昔から、豊かな体格の女性は魔除けになると信じられてきました。
お多福さんは、今でこそ「醜女」「不細工」という扱いが定着してしまっていますが、昔の価値観では「美人」だったのではないかという説もあります。
美人の定義は、時代によって移り変わるものですからね。
節分のお多福さんの由来
節分の福豆などについてくるお多福さんの面。
あの面は、「鬼は~外! 福は~内!」の掛け声の「福」の意味が込められています。
節分の豆まきは、鬼を追い払うことはもちろんですが、福を呼び込むことも目的の一つです。
「鬼は~外! 福は~内!」という掛け声には、「悪い鬼を追い払ったので、どうぞお入りください」と福の神に呼びかける意味があります。
節分の時期によく見かける「柊といわし」気になる方はコチラ。
節分の豆まきの豆は? 落花生をまく地域もあるよ
日本では、神様と言うと七福神の一神様ですよ。
「福が多い」という名前が元になったお多福さんも、福の神として扱われることが多いようです。
お多福さんの元になったアマノウズメは芸能の神様として信仰されていますし、七福神の一人、芸能の神様である弁財天と同一視されていた時代もあります。
あなたが芸術の分野の趣味や仕事を持っているなら、芸が秀でるように願いを込めて豆まきするのもいいかもしれません。
お多福さんと鬼との関連性は?
これは、お多福さんが鬼を改心させる内容の、江戸時代から続く狂言が元となっています。
鬼たちは打ち出の小づちを持って暴れまわるので、人は豆をまいて追い払います。
一度は退散した鬼たちですが、またもや帰ってきて暴れ出しました。
人々は必死に豆をまきますが、豆も効かなくなってしまいした。
お多福さんが鬼退治した!武器は愛嬌だった!
絶体絶命と思われたその時、お多福さんが現れます。
お多福さんは戦うのではなく、愛嬌を振るまい、優しく諭し、鬼たちを改心させました。
鬼軍のリーダー赤鬼は、自ら小槌をお多福さんに渡して大人しく帰っていくのでした。
こちらの狂言は、今でも千本釈迦堂の「古式・鬼追いの儀」で見ることができます。
引用:千本釈迦堂
千本釈迦堂ではこの狂言の後には豆まきを行いますが、もう鬼はすでに改心しているので、「鬼は外~」とは言いません。「福は内~」とだけ言います。
力任せに戦うだけではなく、時には穏やかに話し合うことも大切だということでしょうか。
節分会追儺式
「せつぶんえついなしき」と読みます。
節分と言えば「鬼の豆まきと「恵方巻き」の恵方の方角を向いて無言で巻きずしの丸かぶりを直ぐに思い浮かびます。今回、調べてみて全国で70前後の寺でおこなわれているようです。
「節分会追儺式」とは余り耳にしませんでした。
二つのお寺での節分会追儺式を紹介します。
古式床しい裃姿の歳男、歳女の皆さんが護摩祈願の後、無病息災・攘災招福を祈願し、本尊虚空蔵菩薩の御宝前で豆まきを行います。
引用:村松山 「虚空蔵堂」
高尾山の節分会修行への参加
こちらも「冥加料として3万円」かかります。(豆まき式参加費:衣装代(裃)、御札、記念品、祝宴、ケーブル往復代、記念写真代) 記念品などもとても豪華で良い思い出になるでしょう。
日本遺産の霊気満山「高尾山」
まとめ
節分において、お多福のお面の使い方には決まりがありません。
鬼役の人が鬼の面をかぶり、豆を投げるひとがお多福の面をかぶる、という人。
玄関や部屋などに飾って、楽しむという人もいます。
小さなお子さんがいらっしゃるご家庭なら、狂言を元に「鬼をお多福さんが改心させる」という、ちょっとした劇をやってみるのも楽しいのではないでしょうか。
きっと盛り上がることと思います。
しっかり福を呼び込んで、いい一年にしたいですね。
この機会に親子で挑戦してね!
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