節分に飾る柊鰯(ひいらぎいわし)由来は?どこの風習?作って飾ろう
ねぇ~。どうして、「お魚と葉っぱ」があるのぉ~。
近所のお子さんが、パパに聞いています。
ネコに食べられちゃうよ。
と、散歩している親子の会話です。
節分に時々聞く、柊鰯(ひいらぎいわし)。
柊の枝に焼いた鰯の頭を挿したものを柊鰯と呼びます。
おばあちゃんやおじいちゃんが言っていたけれど、
実は何なのか知らない……なんて人も多いのではないでしょうか?
柊鰯の由来と意味、作り方、処分の仕方など、まとめてみました。
どうして柊と鰯なの? 柊鰯の由来・意味
外国でも、吸血鬼にはニンニクが効きますし、彼らはサンザシ(トゲがある植物)の茂みには近寄れないと言いますよね。
古来より、臭いが強いもの、トゲがあるものは魔除けになると信じられてきました。
柊はとげがあるものとして、昔から魔除けに使われていました。
これは柊にトゲがたくさん生えていて、触ると痛いからです。傷が痛む様子を表す「ひりひり」が語源とも言われています。
魔除けとして、皇居の生垣にひいらぎが使われているのは有名な話ですよね。
これにちなんで、現代でも、お正月に売っているしめ縄に、柊の小枝が挿してあることもあります。
いわしは「弱い魚(鰯)」と書くように、陸に揚げるとすぐ弱って腐ってしまう魚です。その腐った匂いで鬼を追い払うのです。
いわしを焼く煙も効果がありますから、節分にいわしを食べるときは焼いて食べるのが良さそうです。
柊鰯は、この二つを組み合わせて、いわしの匂いで鬼を近づけないようにする、近づいてきた鬼は柊のとげで目を刺して追い払うという、抜け目のない防衛システムとなっているわけですね。
いつからある風習なの?
柊鰯の由来は、平安時代にまでさかのぼります。
お正月の門口に飾ったしめ縄に、柊の枝となよし(ボラ)の頭を刺していたという記述が、平安時代に書かれた土佐日記(紀貫之作)にあります。
なぜボラが使われたのかというと、これは、いわしが、「賎し」や貴族の食べ物ではない卑しい魚という意味で「いやし」に由来する説から来ています。
ボラは古くから祭祀の際に振る舞われる料理によく登場します。
ボラは出世魚です。節分をよくやっていた貴族に好まれていたことも、理由の一つにあるようです。
ボラがいわしになったのは、庶民に節分の文化が降りてきて、安価で大量にとれるいわしが選ばれたからかもしれませんね。
柊鰯って、どこの習慣なの?
柊鰯は、関西ではやいかがし(焼嗅)、やっかがし、やいくさし、やきさしなどとも呼ばれます。
近代まで、関西の多くの家庭では、節分にいわしを食べる習慣がありました。
上方落語「厄払い」にも「(節分の晩は)どこの家でもみな麦ごはんに鰯を焼いて、それをおかずにして食べる」というくだりがあります。
いわしを食べるのは邪気を追い払うためですが、一方で、寒い冬に栄養を付けるためという理由もあります。
いわしはDHA、カルシウムなど栄養を豊富に含んでいるため、病気の予防には効果的なんです。
ともあれ、そんないわしを食べる習慣がある地域から、柊鰯は広まっていたようです。
今でも節分の奈良県では、玄関や軒下に飾られた柊鰯が多く見られます。
作り方は?
1.焼いたいわしの頭と、葉の付いた柊の枝を用意する。
2.いわしのエラから目に向かって、柊の枝を突き刺す。
3.玄関、または軒先に飾る。
作り方はシンプルです。意外と簡単ですね。
地域によっては、ここにニンニクやらっきょうを加えたり、豆柄(種子を取り去った大豆の枝)を加えたりするところもあります。
柊のとげは刺さるととても痛いので、気を付けて作業を行ってくださいね。
軍手などをすると作業がしやすいですよ。
お正月の飾り物は一夜飾りはよくないとされますが、節分の柊鰯は節分当日に飾るのが一般的です。
節分が終わったらどうしたらいいの?
立春(2月4日)まで飾るのが最も一般的です。
他に、2月いっぱいは飾っておく、次の年まで一年間飾っておくなどという地域もあります。
また、「魔除けなので自然に取れるまで放っておく」という家もあるようです。
お住まいの地域や、お家の習慣にならって外すのが良いでしょう。
飾り終わった柊鰯は、神社のどんど焼きで処分します。
またはそのまま庭に埋めたり、灰になるまで焼いてその灰を玄関に盛るのも良いでしょう。
とはいえマンションだったりする場合にはそうもいかないでしょうから、難しい場合には、白い紙でくるんで、塩で清めてから処分しましょう。
猫がいわしを持っていってしまうのが一番良い、とする説もあります。
とくに黒猫が持って行ってしまうのが良いのだとか。
日本では昔から黒猫が幸運の証とされているので、それに因んだものかもしれません。
まとめ
一見不思議な慣習も、ちゃんと意味があるんですね。
今年は柊を焼いて食べ、柊鰯にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。
邪気を払うのに、柊と鰯の力を借りましょう。
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