Perseveranceの火星探査ミッションに迫る!過去の火星探査機とともに振り返える!
2021年4月19日(月)に火星で探査機「Perseverance(パーサヴィアランス)」に搭載されたヘリコプター「Ingenuity(インジェニュイティ)」が初めて飛行に成功したというニュースが話題になりました。
この探査機は、2020年7月30日に火星へ向けて打ち上げられ、2021年2月19日に到着しました。
探査機到着からヘリコプターの飛行試験を行う2ヶ月間は、探査ミッションを行うことやIngenuityの飛行準備を行っていました。
では、火星でヘリコプターを飛ばす目的は何か。
過去に火星に着陸した探査機は何があるのかを見てきます。
PerseveranceとIngenuityの火星探査ミッションとは?
Perseverance とIngenuityについて、何を目的としたのか、今後は何をするのか、それぞれ説明をしていきます。
Perseveranceは、今後2年に渡って古代の生命の痕跡を探し、岩石や土壌のサンプルを収集する目的があります。
また、Perseveranceに搭載されたIngenuityの飛行は、技術検証であるものの、今後人が火星へ行けるのかといった目的もあるとされています。
Ingenuityの飛行は、高さ3mまで上昇を行いました。飛行時間は最大90秒飛ぶことはできますが、今回の飛行では39.1秒飛びました。
今回行った飛行実験は初実験、初成功ということで、とても驚きです!
火星で飛行することは難しいと言われていますが、なぜ難しいのでしょうか?
それは、火星の重力は地球の3分の1で、大気は地球の約1%しかないからです。
大気が薄いため、ヘリコプターが揚力を得るのが難しいのです。
次に人が火星に行くことが難しいのはなぜでしょうか?
それは、火星に到着するまでに大量の放射線を浴びてしまうからです。
放射線を大量に浴びることで癌などの健康被害が起こりやすくなるので、浴びずに火星へ到着する必要があります。
私たちが地球で生活できいるのは、地球の表面に「オゾン層」という物質が存在し、そのオゾン層が太陽光からの有害な紫外線を吸収しているからです。
今後2週間で最大4回の飛行を試み、より高い高度、より遠い地点へ移動ができるか挑戦予定となっています。
また、将来はフライトビデオに音声を入れる計画も考えているようです。
今後実施される4回の飛行でどこまでいけるのか期待が高まりますね。
今までに火星へ打ち上げられた探査機は?
今まで火星に着陸した探査機は何があるのでしょうか?
Perseveranceが打ち上げられるまでの間に着陸に成功した探査機をまとめます。
マリナー4号
1964年に初めて写真撮影に成功した探査機です。
このマリナー4号は火星に着陸をしていませんが、初めて火星に向かって飛ばされた探査機です。
火星の傍を通過しながら22枚の写真を撮ることに成功しています。
4号というからには、1号、2号、3号もあります。
1号、2号は金星の探査を行うために打ち上げられています。3号は1964年に火星の探査のため、打ち上げられました。しかし、打ち上げ用ロケットの先端にある衛星シュラウド(覆い)を完全に開くことができず、火星へは到達できませんでした。
マルス3号
初めて着陸に成功した探査機になります。
着陸後20秒で通信が途絶えてしまい調査を実施することはできませんでした。
マルスも1号と2号が存在しており、1号は1962年に打ち上げられ火星に接近しています。
2号は1970年代に打ち上げられましたが、搭載されたコンピュータの不調により通信が途絶えてしまいました。
バイキング1号
1976年に打ち上げられ、生命の痕跡を調査する目的がありました。
しかし、生命の痕跡や有機物を見つけることはできませんでしたが、大気の温度や気圧を毎日計測した実績を残しています。
フェニックス
2007年に火星の北極に着陸して、表面の地層を削り、氷のような物質の発見に成功しました。
掘り起こしてから外気に触れると少しずつ蒸発していくことから、氷であるとされています。
更に、土壌中に猛毒な炭酸塩鉱物、過塩素酸などを確認され、火星の地表には生命にとって有害な物質が存在していることが分かっています。
火星で生命が存続できるのか、新たな疑問が出てきました。
今後は過塩素酸の分布や過塩素酸塩を利用する微生物の存在など詳しく調査する予定とのことでした。
キュリオシティ
2011年に火星の水・生命の調査を目的として打ち上げられました。
火星の大気圏突入から着陸までの約7分間、通信が途絶え「恐怖の7分間」というワードで多くのニュースで取り上げられていたのを記憶に残っています。
キュリオシティでは扇状地の発見や上空から探査で粘土鉱物が検出されており、かつて水が豊富な環境だったのではないかと考えられています。
インサイト
2018年に火星の地質学的進化の調査を目的として打ち上げられました。
火星での地震や風の音、熱流量測定をおこなっています。
探査中に弱い地震波を何度も観測しました。
火星には地球で地震の発生源となるプレートが存在しないため、地震の原理や発生源の特定の調査をおこなっています。
インサイトは当初2020年まで運用予定であったが、2022年12月まで調査を延長となっています。
まとめ
火星探査機「Perseverance」とヘリコプター「Ingenuity」および過去の探査機打ち上げについて触れてきました。
今まで火星での写真撮影や生命の痕跡などの探索はたくさんの失敗を重ねて成功させてきました。
今回行った飛行実験は初実験、初成功ということで、多くの研究者の間で「火星におけるライト兄弟の瞬間」として更なる飛行に期待を寄せています。
また、火星だけでなく、他の惑星の探査も続いています。
新たな実験や今まで観測を行っていない惑星の調査など、世界を驚かせるような発見が待ち遠しいです。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません