日本のSDGs達成度は?2022年ランキングはどうなっているの?
2022年6月、
Sustainable Development
Report 2022
(持続可能な開発レポート2022)が
発表され、
国別のSDGsスコアと
ランキングが
公表されています。
新型コロナの世界的な流行により、世界経済が混乱し、世界全体でみると、2015年から上昇傾向にあったスコアが2021年・2022年は減少傾向へと変わってきています。
では、
日本のSDGs達成状況は
どうなっているのでしょうか?
この記事では、
日本のSDGs達成状況と課題、
ランキングなどについて、
わかりやすく説明します。
日本のSDGs達成度は?
「持続可能な開発レポート2022」では、SDGsの17の目標ごとに「達成済み」、「課題が残っている」、「重要な課題がある」、「深刻な課題がある」の4段階で評価をしています。
(1)日本における各目標の達成状況
<達成済み>
目標を達成しているのは、以下の3つです。
目標4「質の高い教育をみんなに」
目標9「産業と技術革新の基礎をつくろう」
目標16「平和と公正をすべての人に」
<課題が残っている>
課題が残っているのは、以下の5つです。
目標1「貧困をなくそう」
目標3「すべての人に健康と福祉を」
目標6「安全な水とトイレを世界中に」
目標8「働きがいも経済成長も」
目標11「住み続けられるまちづくりを」
<重要な課題がある>
重要な課題があるとされたのは、以下の3つです。
目標2「飢餓をゼロに」
目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」
目標10「人や国の不平等をなくそう」
<深刻な課題がある>
深刻な課題があるとされたのは、以下の6つです。
目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
目標12「つくる責任つかう責任」
目標13「気候変動に具体的な対策を」
目標14「海の豊かさを守ろう」
目標15「陸の豊かさも守ろう」
目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」
(2)深刻な課題について
2021年の「深刻な課題」とされた目標は5つでしたが、2022年は、新たに目標12「つくる責任つかう責任」のランクが「深刻な課題」に引き下げられました。
では、深刻な課題があるとされる6つの目標について、見ていきましょう。
<目標5「ジェンダー平等を実現しよう」>
目標5は、5つの指標で評価されています。
このうち、特に深刻な課題があると評価されたのが、「国会における女性議員の割合」です。
2022年7月に世界経済フォーラムが発表した「世界男女格差報告書」によると、日本のジェンダーギャップ指数は146ヵ国中116位でした。
なかでも、政治分野における女性活躍の項目においては、146ヵ国中139位という驚くほど低い順位となっています。
日本政府は、女性の活躍推進のための開発戦略として、以下の3つの基本原則を策定し、ジェンダー問題の解決に取り組んでいます。
①女性と女児の権利の尊重・
脆弱な状況の改善
②女性の能力発揮のための基盤の整備
③政治、経済、公共分野への女性の参画と
リーダーシップ向上
日本における女性議員の数は増加傾向にはありますが、2022年8月時点での女性議員の割合は、衆議院9.9%(46名)、参議院25.8%(64名)とまだまだ低い状況にあります。
<目標12「つくる責任つかう責任」>
目標12は、7つの指標で評価されていますが、特に深刻であるとされるのは、「電子ごみの廃棄量」と「プラスチックごみの輸出量」の2つです。
日本の電子機器の廃棄量は、2020年時点で年間約257万トンで世界4位の多さです。
また、日本は世界でも有数の廃プラスチック輸出国であり、財務省の発表によると、2020年の廃プラスチックの輸出量は、前年比8.6%減の82万1,000トンでした。
日本の廃プラスチック輸出量は、2014年(167万トン)から7年連続の減少となっていますが、改善すべき点は多くあります。
<目標13「気候変動に具体的な対策を」>
目標13は、4つの指標で評価されています。
地球温暖化に影響するCO2(二酸化炭素)の日本の排出量は、2021年時点で約10憶5370トン、世界5位となっています。
ちなみに、CO2排出量の上位10ヵ国は以下の国々です。
1位:中国、2位:米国、3位:インド、
4位:ロシア、5位:日本、6位:イラン、
7位:ドイツ、8位:韓国、
9位:サウジアラビア、
10位:インドネシア
日本では2030年度に向けて温室効果ガスの排出削減目標を2013年比で-46%としていますが、更に-50%を達成すべく、持続的な取り組みを宣言しています。
<目標14「海の豊かさを守ろう」>
目標14は、6つの指標で評価されています。
なかでも、特に深刻な課題とされているのが、海の環境に様々な影響を及ぼしている海洋ごみの問題です。
日本の海岸には多くの海洋ごみが漂着していますが、最も影響が大きいのは、プラスチックごみです。
プラスチックごみは、海の生物や海鳥に大きな影響を及ぼし、多くの生物の死傷例が報告されています。
<目標15「陸の豊かさも守ろう」>
目標15は、5つの指標で評価されています。
2022年の報告では、「恒久的な森林伐採」に関する指標以外は、何れの指標も低評価となっています。
<目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」>
目標17は、7つの指標により評価されています。
先進国の多くは、開発途上国に対するODAをGNI比0.7%にするという目標を立てていますが、日本のODAのGNI比は、2020年は0.31%(確定値)で、DACメンバー29ヵ国中13位、2021年は0.34%(暫定値)で12位となっています。
(注)ODA=政府開発援助、GNI=国民総所得、DAC=OECD開発援助委員会
日本の2022年達成度ランキングは?
SDSN(持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)が発表した2022年SDGs達成度ランキングでは、日本は、163ヵ国中19位で、前年の18位(165ヵ国)から1ランク下がりました。
2022年の1位はフィンランドで、2年連続トップでした。
達成度ランキング上位20ヵ国は以下のようになっています。
<2022年版SDGs達成度ランキング>
1位:フィンランド、2位:デンマーク、
3位:スウェーデン、4位:ノルウェー、
5位:オーストリア、6位:ドイツ、
7位:フランス、8位:スイス、
9位:アイルランド、10位:エストニア、
11位:英国、12位:ポーランド、
13位:チェコ、14位:ラトビア、
15位:スロべニア、16位:スペイン、
17位:オランダ、18位:ベルギー、
19位:日本、20位:ポルトガル
報告書によると、世界平均のSDGs達成度は2020年~2021年の2年連続で微減しています。
これは、新型コロナウィルスの流行が影響しているほか、ロシアのウクライナ侵攻による食料やエネルギー価格の高騰などの影響と思われます。
日本の順位は、2017年の11位をピークに低下傾向にあり、3年連続でランクを下げています。
2016年:18位、2017年:11位、
2018年:15位、2019年:15位、
2020年:17位、2021年:18位、
2022年:19位
ただし、日本はアジアではトップで、韓国は27位、中国は56位でした。
まとめ
日本の2022年SDGs達成度ランキングは、163ヵ国中19位で、前年2021年版の18位(165ヵ国)から1ランク下がりました。
日本は、「深刻な課題」が多くあることがランクを落としている要因と考えられます。
また、SDGsの認知度が低いことも懸念されます。
まずは、SDGsとはどういうものなのかを理解しながら、身近でできることから少しづつ協力していきましょう。
目標3は
「#すべての人に健康と福祉を」感染症の流行で"健康や福祉"を
意識することが増えた人も
いるのではないでしょうか?世界でこの目標を達成するためには#ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ という仕組みが必要💥
これって何?🔽https://t.co/uJb1MU0zwA#未来へ17pic.twitter.com/N5YisCVwFb
— 長濱ねるのSDGs日記 (@nhk_SDGs_neru) April 25, 2022
持続可能な開発目標(SDGs)の達成に必要な資金を確保する方策を検討するための「SDGsの達成のための新たな資金を考える有識者懇談会」を設置し、第1回会合を7月22日に開催します。
今回の会合では、革新的資金調達を巡る国際社会の最新状況について議論を行う予定です。— 河野太郎 (@konotarogomame) July 19, 2019
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