新電力の電気が安いのはなぜ?新電力のメリットとデメリットは?
新電力とは、
2016年4月の電力自由化以降、
新たに参入した
小売電気事業者のことを言います。
新電力の多くは、
発電会社や市場取引などから
電気を購入しています。
また、購入した電気は、
送配電事業者に利用料金を払い、
送配電事業者の送配電網を使って
一般家庭まで供給しています。
すなわち、
電気の供給ルートは、
次のようになります。
💡「発電事業」→
💡「送配電事業」→
💡「小売電気事業」→
💡「顧客」
では、なぜ新電力は電気を安く
提供できるのでしょうか?
ターゲットを絞ることで設備投資を抑え、
管理や運営にかかる人件費も
抑えることができるのです。
この記事では、
新電力が電気を安く提供できる理由、
そして、
メリット・デメリットについても、
わかりやすく説明します。
新電力は電気をなぜ安くできるのか?
(1)新電力とは?
電力の自由化以前は、地域で決められた電気事業者がそのエリアを独占して電気を供給していましたが、電力自由化により、2016年4月以降、新たに参入した小売電気事業者が新電力です。
この電力自由化によって、電気を自由に購入することができるようになったのです。
経済産業省のデータによれば、2022年8月18日時点で、登録されている小売電気事業者の数は、計738事業者です。
参考までに、新電力上位10社の電力販売量ランキングは、2022年3月時点にて、次のような順になっています。
①エネット
②東京ガス
③ENEOS
④テプコカスタマーサービス(※)
⑤SBパワー
⑥大阪瓦斯
⑦KDDI
⑧エバーグリーン
⑨エナリスパワー
⑩CDエナジーダイレクト
(2)新電力の電気の仕組みは?
電気は、発電部門、送配電部門、小売部門の3つの部門を経由して、一般家庭に供給されます。
新電力でも一部の会社は自社発電をしていますが、ほとんどの会社は発電会社や市場取引などから電気を購入しています。
また、送配電については、送配電事業者に利用料金を払い、送配電事業者の所有する送配電網を使って、家庭に電気を供給する仕組みになっています。(大手電力会社でも同様です)
送配電事業は中立性を保つため、発電事業と小売事業から分離独立して許可制となっており、発電事業・小売事業との兼業は法的に禁止されています。
尚、新電力に切り替えるには、スマートメーターは必須です。
大手電力会社と契約している場合は、従来の機械式メーターでも問題はありませんが、新電力を使用する場合は、必ず、スマートメーターへ交換する必要があります。
自宅がスマートメーターでない場合、メーターの交換自体は業者が無料でやってくれますが、作業の立ち合いが必要となります。
スマートメーターは、ネットワークを通じて管理しているため、契約会社がオンラインで利用開始・利用停止の作業を行うことができます。
(3)新電力が電気を安くできる理由
新電力が電気を安く提供できるのは、次のような理由によります。
①設備投資が少ない。
ほとんどの新電力は、すでにある発電・送配電設備を利用できるため、大手電力会社に比べて設備投資を少なくすることができます。
②管理運営の人件費が安い。
管理運営の効率化を図ることにより、人件費を抑えています。
例えば、新電力の中には6人程度で運営している会社などもあります。
③ライフスタイルに最適な料金プランを設定できる。
顧客を絞ることによって、対象となる市場に最適化した料金プランを設定することができます。
例えば、夜間や休日などに電気をよく使う家庭向けには、夜間や休日などの料金を安くしたプランなどもあります。
④電力以外の別の事業とのセット販売ができる。
新電力の多くは、基本的に別のメイン事業を持っています。従って、電気の販売で大きな利益を上げられなくても、別のメイン事業とのセット販売(ガスや通信事業など)をすることで、全体として利益を増やすことができれば、価格を安く設定することが可能となります。
新電力に切り替えるメリットとデメリットは?
(1)新電力のメリットは?
新電力に切り替えるメリットは、
次のような点です。
①大手電力会社よりも電気代を節約できる。
②事業者によっては、ガスやインターネット、
携帯電話などとセット契約すると
割引になる場合がある。
③事業者によっては、電気代の支払いのたびに
ポイントが還元される場合がある。
④ライフスタイルに合わせたプランを
選ぶことができる。
(2)新電力のデメリットは?
新電力に切り替えるデメリットは、
次のような点です。
①電力会社によっては支払い方法を
制限している場合がある。
②電力会社によっては解約時に違約金が
発生する場合がある。
③市場連動型プランでは電気料金が
高騰するリスクがある。
④新電力は民間事業のため
倒産や撤退のリスクがある。
まとめ
電力の自由化により、多くの企業が参入することで価格競争が起き、競争することで電気を安く販売できる仕組みができました。
小売電気事業者は、現在、738事業者が登録されています。
新電力の中には、例えば、ガス会社や石油会社、通信事業者など、様々な事業を営んでいる会社が含まれています。
それぞれの新電力が特色のある料金プランを打ち出していますので、あなたのライフスタイルに合ったプランを選択することで、電気代が安くなる可能性があります。
もし、気になる新電力の料金プランがありましたら、電気料金がどうなるのか、シミュレーションをしてみてはいかがでしょうか?
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